ウェブマーケティング

コンテンツの論理的構築とSEOの関連性

投稿日:2019年11月1日 更新日:

人が文章を読んでいて読みにくいと感じる場合には、“文章の論理が破綻している”ということがあります。

文章の論理が破綻していると、その文章の書き手が何を言いたいのかが分からず、読者としても非常に読みにくいと感じてしまうのです。

しかし“文章の論理が破綻する”ということは、なぜ起こるのでしょうか。

その理由のひとつとして挙げられることが、“専門家が知識を噛み砕いて論理化していない”というもの。

専門家はその道のプロフェッショナルです。

そして専門家が情報発信する相手の多くは、同業者やその分野のプロフェッショナルたちです。

同じ専門家同士であれば、詳しく説明せずとも「ああ、あのことか」と直ちに理解できます。

そのため専門家は、専門知識を持っていない一般の人たちへ向けて説明する際に論理を飛ばしがちなのです。

しかし「なぜそうなの?」という論理を飛ばしてしまえば、一般の人にとって、その専門的な話は理解しにくいものとなってしまいます。

このような論理が破綻したりショートカットされたりした文章は、SEO的にも不利になりがちです。

“Googleはユーザーの利便性を第一に考えている”と標榜していますので、一般人にとって分かりづらいコンテンツは、検索上位に表示されにくくなります。

結果、論理のショートカットや破綻によって、“専門家が書いた記事なのに検索上位に上がらない”ということが起こるのです。

今回は専門家がモノを書く際に忘れてはならない、“論理的思考”とSEOの関係性について、解説していきます。


知識を噛み砕き、論理的にコンテンツをつくる

本題に入る前に、私の知っている評論家の方の話をしておきます。

その方は政治・社会哲学について非常に深い知識と見識があり、いくつも本を出しています。

その方が出している本は、彼の専門である社会哲学や政治学について、現代日本社会の問題を持ち出しながら解説しているものが多くを占めており、“現代社会の病理構造の本質を突いている!”と、多くの識者によって高く評価されています。

「社会哲学や政治学なんて難しいんじゃないの?」と思うかも知れませんが、その方の出している本は“難解さ”とはほぼ無縁の内容です。

彼の書く本は歴史上の哲学者の言葉を引用しながらも、なぜその哲学者がそういう考えに至ったのか、その考えの本質は何なのかなどを、その分野に触れたことのない人にもわかりやすく解説し、論理的に現代社会の問題を浮き彫りにしているんですね。

しかもその内容が面白く、彼は現代にはびこる“考えのおかしな困った人たち”を皮肉り、ユーモアに転化することを忘れません。

つまりその人が書く本は難解な事柄について、論理的かつ詳細に、たとえ話やユーモアを交えて解説しているので、読者にとって“難しい”という印象を抱きにくいものとなっているのです。

このように専門知識でも噛み砕いて分かりやすく、論理的に解説してしまえば、専門知識のない人たちが読んでも面白いものがつくれます。

しかしウェブの世界だとユーザーはキーワードを入力して検索し、ページを閲覧することがほとんどなので、コンテンツのターゲットにどの層を据えるかによって、情報を噛み砕く粒度を変える必要があります。

たとえばドイツの哲学者、フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェについて非常に詳しい人をターゲットに据える場合、ニーチェの来歴や彼の著書、彼の用いた言葉などについて細かく噛み砕いて説明すると、冗長なコンテンツになり、読みづらくなってしまうでしょう。

逆にニーチェに詳しくない人たちをターゲットにするのであれば、ニーチェの来歴や著書、発言などについて解説し、知識を細かく噛み砕いて説明する必要があります。

つまりどのユーザー層をターゲットに据えるかによって、情報を噛み砕く粒度を変えていけば、そのユーザーにとって読みやすいコンテンツをつくることができるのです。


ユーザーが分からない言葉や知識を出さない

コンテンツを検索上位表示したいのであれば、ユーザーにとってわからない言葉や知識を、記事中に出さないか、出したとしても冗長にならない程度に解説を入れるようにしましょう。

たとえばゴジラについて書いた記事があるとします。

ゴジラは日本が生んだ、世界的に有名な架空の怪獣ですが、このゴジラについてほとんど知らない人に向けたコンテンツで、映画劇中に登場した人物や怪獣、メカニック、設定用語などを何の解説もなしに入れてしまうと、ユーザーにとっては負担でしかありません。

その場合、多くのユーザーはページを読み終える前に、ほかのサイトへ移動してしまうでしょう。

つまりページを上位表示するためには、ターゲットが知りたいと思う情報に絞って解説し、ユーザーが知らない単語や知識については記事中で触れない(または説明する)ことで、検索ユーザーにとって利便性の高い、分かりやすいコンテンツをつくることが大切なのです。

誰がコンテンツをつくり、何を言っているか(信頼性)

どんなコンテンツでも、“誰がそのコンテンツをつくっているのか”は重要な事柄です。

コンテンツを閲覧する人たちは、“このコンテンツをつくっている人や企業は信頼できるか”という視点でページを評価します。

そのため“誰がそのコンテンツをつくっているか”を明確にすることは大切なのですが、一方で忘れてはいけないことがあります。

それは“コンテンツ内で何を言っているか”です。

たとえ“その分野の専門の大学教授”がコンテンツを書いていたとしても、言っている内容が支離滅裂だったり、事実誤認や特定の事実だけの強調、恣意的な解釈が行われてしまっては、上位表示されても真に有益なコンテンツとはなりえません。

むしろそんな、事実誤認や特定の事実だけの強調がされているコンテンツであれば、上位表示されないほうがユーザーにとっての害が少ないといえるでしょう。

コンテンツの上位表示や運営者の利益だけを考え、“専門家が悪質なコンテンツをつくり、思想言論を広めること”は、非常に有害です。

そんなコンテンツをつくるのであれば、最初からコンテンツの作成をやめたほうが賢明でしょう。

つまり良質なコンテンツの作成には、そのコンテンツを“誰がつくり、何を言っているか”が重要なのです。

情報の鮮度

最後に重要なのは、コンテンツで扱う情報の“鮮度”です。

時間の経過によって、コンテンツ内の情報と現実の状況とが異なってしまうことはよくある話です。

ユーザーはコンテンツ内の情報が古いと、“あまりアテにならないかも知れない”と考える傾向にあります。

定期的にコンテンツ内の情報をアップデートし、情報の鮮度を保つようにしてください。


まとめ

今回はSEOとコンテンツの論理的構築の関係などについて解説しました。

信頼性があって論理的に破綻せず、ユーザーにとって分かりやすいコンテンツをつくるよう、心がけてみてください。




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