徳本です。
2019年の12月26日には、“初心者が『スター・ウォーズ』を時系列順に観るとどうなるか”を検証したバラエティ番組をやっていました。
『スター・ウォーズ』はその作品数が膨大であるため、今まで敬遠していたという人も多いのではないでしょうか。
以前の記事で触れたように、この『スター・ウォーズ』は最初にEpisode 4が公開され、続けて Episode 5・6がつくられました。
そこから長い時間を置いてEpisode1・2・3が公開されるという、少し特殊な順番で制作されています。
そのため鑑賞者は時系列順に観るか、それとも製作順に観るかを選べるようになっており、基本的にはどちらの順番で観ても楽しめるはずです。
ただ、時系列順に観た場合にはそれでしか味わえない魅力が、製作順に観た場合にも、それでしか味わえない楽しみがあることでしょう。
『スター・ウォーズ』を時系列順と公開順で観た場合、それぞれの特徴と魅力について解説します。
◆この記事の目次
『スター・ウォーズ』の本編作品一覧
『スター・ウォーズ』の本編作品はディズニー版も含めると、全部で9本存在しています。
この本編作品のうち、原作者のジョージ・ルーカス氏が携わった作品はEpisode1から6まで。
Episode7から9はルーカス氏が製作に携わることはなく、それぞれ別々の監督によって撮られました。
『スター・ウォーズ』の本編作品は、それぞれ舞台となる時代と主人公の違いによって3本ごとに分けられ、「オリジナル・トリロジー」、「プリクエル・トリロジー」、「シークエル・トリロジー」と呼ばれています。
『スター・ウォーズ』を観る順番ごとの違い
では、『スター・ウォーズ』を製作順に観た場合と時系列順に観た場合とでは、どんな違いがあるのでしょうか。
ここでは制作順と時系列順、どちらの場合でも最後に位置づく続3部作は除き、旧3部作と新3部作に絞って解説をしていきたいと思います。
製作順に観た場合
本編を製作順に観た場合の特徴としては、以下のことが挙げられます。
- 特撮の進歩を楽しめる
- 公開当時に世界中が驚いた、Episode 5の衝撃の展開を追体験できる
- 新3部作を回想という形で楽しめる
- 登場人物の心理描写が追いにくくなる
公開順に『スター・ウォーズ』を観た場合、本編の艦隊戦やライトセーバー(ライトサーベル)戦、異星人や各惑星の描写などに用いられている、特撮の技術進歩を体験することができます。
また、「Episode 5/帝国の逆襲」は敵の暗黒卿、ダース・ベイダーの正体が明かされる話であり、当時世界中が驚いた衝撃の展開を追体験することが可能です。
そして旧3部作鑑賞後に観る新3部作を、ある登場人物についての前日談という形で楽しめます。
ただし、この制作順で観た場合は、特定の登場人物たちの心理描写を追いにくくなります。
主人公、ルークの師となる、オビ=ワン・ケノービやヨーダなど、彼らが旧3部作時点でなにを考えていたのか、どういう心境だったかなどは、新3部作を観れば、より深く理解できます。
しかし旧3部作を先に観る場合は時系列順ではないので、新3部作鑑賞中に「あのときの描写にはこんな意味が……」と、旧3部作の内容を回顧しなければなりません。
『スター・ウォーズ』サーガの歴史や魅力を体験しつつ、物語を楽しみたい方は、公開順に観ることをオススメします。
時系列順に観た場合
本編を時系列順に観た場合の特徴には、以下のことが挙げられます。
- 登場人物の心理描写や心境、考え方の変遷を読み取り、それを追いながら鑑賞できる
- ダース・ベイダーの正体についての前知識がない場合は、Episode 3が衝撃作となる
- 作品内のテーマがより明確になる
- 映像に違和感を覚える場合あり
時系列順に『スター・ウォーズ』を観た場合、登場人物の心境や考えの変遷を読み取り、より深く理解することが可能です。
特定の登場人物たちの過去を知ったうえで旧3部作を観るため、彼らがなにを思ったか、このセリフにはどんな意味があるのかなど、その心情を深く推察できます。
また、主人公のルークが誰と誰の子かを先に知るので、彼がふたりのうちのどちらに似ているかなどを考えて楽しむことも可能です。
新3部作から活躍したキャラクターを再び旧3部作で見たときに、どこか懐かしさのようなものを抱くかもしれません。
そして旧3部作で強敵として描かれているダース・ベイダーの圧倒的な強さにも、きっと納得できるはずです。
また、前知識がない場合で新3部作から観た場合は、ダース・ベイダーが誕生するEpisode 3が衝撃作になると思います。
このEpisode 3では登場人物たちの境遇や心情が大きく変化し、さまざまな思惑が交錯し、ひとつの大きな流れへとつながるので、前知識なしで観た場合は、おそらく何度も驚くことになるでしょう。
そして時系列順で観た場合は、『スター・ウォーズ』というサーガのテーマがいっそう明確になるだけではなく、スピンオフも挟みながら本編を鑑賞しやすくなります。
ただ、時系列順で観ると、映像に違和感があるかもしれません。
新3部作は1999年から2005年にかけて制作され、CGアニメーションをふんだんに使ってつくられたのに対し、旧3部作は1977年から1983年につくられたので、レトロな特撮技術が使われています。
現在、旧3部作はデジタル処理されたバージョンになっており、差が少なくなっているとは思いますが、新3部作と比較するとやはり映像の粗さは目立ちます。
しかし映像の違いを気にしないのであれば、時系列順で観ることも選択肢に入るでしょう。
深い人間ドラマと冒険活劇を味わい、壮大なサーガの本質をより見極めたいのであれば、時系列順に観ることをオススメします。
まとめ
以上、『スター・ウォーズ』を観る順番についてでした。
まだ『スター・ウォーズ』を観ていない方は、ネタバレ防止のために本ブログ内の『スター・ウォーズ』関連の記事を読まないことをオススメします。
それら記事では本編のネタバレが書かれているので、先の展開を知りたくない方は間違ってページを開いてしまわないよう、注意してください。
『スター・ウォーズ』は映画、アニメ、小説などの多くの媒体で展開されており、人物や世界観の設定も堅実につくられています。
時間がある方は映画本編を観たあと、数多くのスピンオフに手を出してみてはいかがでしょうか。
今回の記事が壮大な『スター・ウォーズ』サーガの案内板になれば、幸いです。