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高齢者事故に対する〝限定免許〟導入について

投稿日:2019年6月26日 更新日:

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昨今、「高齢ドライバー」による踏み間違え事故が増えており、社会問題となっています。

日本政府はこの問題に対処しようと、高齢者に対する「自動ブレーキ搭載車」限定免許を検討しているそうです。

確かに踏み間違い事故は防ぐ必要がありますし、「安全性」が高い車に乗ったほうがよいでしょう。

しかしこの「自動ブレーキ搭載車限定免許」は、本当に事故防止に効果的なのでしょうか。

今回は“高齢者事故”に対する“限定免許導入”の問題点について、書いていきます。

「自動ブレーキ搭載車」=「ぶつからない車」は幻想

上記の記事に書かれているように、「自動ブレーキ搭載車」は必ず止まる車というわけではなく、あくまで「自動で制動を掛ける車」というだけに過ぎません。

そもそもブレーキというのは、タイヤと路面の摩擦によって運動エネルギーを熱に変換し、車を停止させるものです。

ブレーキを掛けたときは、そのときの速度や路面の状態によって制動距離が違います。

つまり状況次第では、自動ブレーキ搭載車でも「止まらない」ということもあり得るのです。

さらにどの速度で作動するのかにも違いがあり、センサーに問題があればそもそもブレーキが掛かりません。

しかし「自動ブレーキ搭載車」を「絶対に止まる車」と誤解していると、この記事で書かれているようにむしろ危険性が増してしまいます。

そして自動ブレーキの「実際」が広がっていないまま、「自動ブレーキ搭載車限定免許」を導入するとどうなるでしょうか。

事故は確実に増えると私は思います。


そもそも「高齢者の事故」という考え自体が間違っている

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そもそも「高齢者ドライバーの事故」という認識自体が間違いです。

高齢ドライバーでなくとも踏み間違い事故は起こしており、若者だろうが中年だろうがアクセルとブレーキを踏み間違えています。

よって「高齢者に自動ブレーキ搭載車を」というやり方では、根本的な解決にならないんですね。

では何故、踏み間違えで事故が起こるのかというと、AT(オートマチック・トランスミッション)車だからです。

このAT車の場合はギアレンジを「D」に入れている場合、アクセルを踏むと前に進みます。

交差点で停車中に「N」にでもしない限り、走行中は確実に「D」レンジに入れているため、踏み間違えたら、そこで事故が起こってしまいます。

つまりAT車が日本に普及してしまったこと自体が、踏み間違い事故の根本的な原因です。


踏み間違えないためにはどうすればよいのか

AT車のペダルの数は2つです。アクセルとブレーキですね。

一般的にはアクセルとブレーキを右足で操作し、左足はフットレストに置いています。

しかしこれが踏み間違い事故を誘発しています。

そもそも何故右足で発進と制動を操作するのかというと、MT(マニュアル・トランスミッション)車がそうだったからです。

MT車に乗り換える

私が上記の記事でも書いたことですが、MT車の場合は右足で発進と停止をコントロールし、左足でクラッチペダルを踏みます。

仮にMT車でドライバーが踏み間違えたとしても、こちらの場合はブレーキを踏む際に必ずクラッチを踏みます。

なぜならクラッチを踏まないとエンジンが止まる(エンスト)するからです。

エンジンとタイヤが完全につながったまま制動を掛けると、タイヤのほうが内燃機関を止めてしまうのです。

ですからMT車では踏み間違い事故が起こりにくいと言われています。

ブレーキを掛けるとき、ドライバーは無意識にクラッチを踏みますし、踏まないままだとエンストして停止します。

仮にドライバーが踏み間違えたとしても、停止時は無意識にクラッチも踏み込むことになるので、アクセルをオンにしても空ぶかしして加速せずに終わりです。

左足ブレーキをする

そして、問題のAT車

実はAT車でも踏み間違いを防ぐ方法が提案されています。

その踏み間違いを防ぐ方法は「左足ブレーキ」です。

クラッチ操作不要なのだから、左足でブレーキを踏んでしまえというわけですね。

しかし「それだと両足に力が入る」という人も居るようですが、最近の車はスロットルバルブ(出力制御バルブ)の開度を電子制御で決めており、さらに同時踏みした場合はエンジン出力がオフになります。

よって左足ブレーキをすれば、AT車での事故は減らせると思います。

なぜ左足ブレーキが普及しなかったのか

あくまで私の考えですが、こちらの記事を読む限りだとやはり「MT車と同じで良いや」という教習所の怠慢に原因があるように思えます。

現在進められている「自動ブレーキ搭載車限定免許」の導入というのも、そこには最新技術搭載車をメーカーに売りさばいてもらいたいという、政府の思惑が反映されているように思えますね。

まとめ

マスコミはこの問題を、「高齢者ドライバー特有の問題」であるかのように扱っていますが、実際は「システムが大きく変わった車を従来の方法で運転しろと教えたこと」と、「AT車が普及しすぎたこと」に原因があるようです。

そもそも「自動ブレーキ搭載車限定免許」など、「高齢になっても旧車のようなMT車に乗っている人」にとっては「車を奪われる」に等しいことのように思うのですが、どうでしょうか。




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